高齢者に多い歩行障害の原因とは?
高齢者になると、聴力や視力が低下したり全身の感覚が鈍くなったりとさまざまな身体の機能が衰えていきます。 中でも介護につながる恐れもあり注意したいのが歩行機能の低下です。 歩行障害は転倒による骨折を招くリスクを上げる恐れもあり危険です。 歩行障害とはどんなものなのか、しっかり理解しておきましょう。
目次
高齢者に多い歩行障害とは
若い頃には何も意識せずに歩く動作ができますが、高齢者になると身体機能の衰えによって、歩く動作でさえも問題が出てきます。 それが、高齢者の歩行障害と言われるものです。 60歳以上の高齢者のうち15%以上が「上手く歩けない」「ふらつきがある」など歩行に関する障害を抱えていると言われています。 軽度の歩行障害は、手すりなどを使えば歩けるレベル。一人で歩く際に少しふらつきが起こることがあります。 重度の歩行障害になると、一人では歩けず、手押し車のようなものや歩行介助が必要になります。 高齢者に多い歩行障害は日常生活にさまざまな悪影響を及ぼすと同時に、脳梗塞やパーキンソン病などの疾患が隠れていることもあるので注意が必要です。
高齢者の歩行の特徴と歩行障害の原因について
高齢者に多い歩行障害は身体機能の低下が大きな原因ですが、どこの機能が低下しているのか、またどの程度低下しているのかによって歩行障害の症状も異なってきます。 一般的な高齢者の歩行障害の特徴としては「歩く速度がゆっくりになる」「歩幅が狭くなる」といった症状が挙げられます。 また「ふらつき」「痛み」「足の筋力の衰えによるすり足歩行」も高齢者に多く見られる歩行障害の症状です。 足の筋力低下による「すり足」や「ふらつき」などは、転倒や骨折を招く恐れがあるので要注意です。 高齢者は筋力だけでなく骨も弱くなるので、何かの拍子に転倒して骨折し、そのまま寝たきりになってしまうケースは多いです。 骨折をしなくても一度転倒すれば、足に痛みが残ったり、歩くのが恐くなったりして歩かなくなる恐れも。 歩くことが減ると足腰が弱り、寝たきりに近づいてしまうのも問題です。 歩行障害は少しずつ自覚することが多いのですが、昨日とはあきらかに歩き方に違和感があるなどの急な歩行障害の場合は、脳梗塞などの病気が関わっていることもあります。 その場合は早急に診察や検査をお勧めします。
高齢者の歩行障害を予防する方法
加齢による身体機能の低下は誰にでも起こることで仕方のないことですが、歩行障害を防ぐことは十分にできます。 歩行障害の大きな原因は足の筋力が低下することなので、日頃から運動をする習慣を持つことが大切です。 全身の筋肉の実に3分の2が下半身に集中していて、足は第二の心臓とも言われているので、歩行障害を予防するためには歩くことが一番のトレーニングになります。 ゆっくりと散歩をするだけでも血液の巡りを良くして健康な身体作りに役立ちます。 ただし、足の筋力を鍛えるためには歩く速度にも注意しましょう。 一歩一歩の歩幅を大きくするように心がけ、歩調を速くすれば、自然と歩く速度は早くなります。 歩く歩幅を広く歩調を速くように心がけることで歩行機能を改善でき、歩行障害を予防することができます。 ただし、それまで運動習慣がほとんどなかった人にとって、急に早く歩くことは身体への負担が大きくなり心臓や血管へのダメージも心配です。 自分のペースで休みながら行うことが大切です。
高齢者の歩行障害に家族はどう関わっていくべき?
歩行障害のある家族と一緒に住んでいる場合は、転倒を予防する生活環境を整えましょう。 室内では居間やリビングの転倒率が約20%と一番多く、その次が玄関と言われています。 階段や寝室、廊下なども転倒しやすい場所です。 絨毯や敷居、落ちている新聞紙などでも十分に転倒します。 歩行障害による2次疾患のアクシデントを防ぎましょう。 自宅では手すりをつけたり、段差をなくしたりして、バリアフリーな環境を整えましょう。 高齢者の歩行障害は、加齢による身体機能の低下が原因となっています。 寝たきりのリスクも上げる歩行障害は、何より歩くことが予防になるので普段から歩くことを心がけましょう。