高齢者こそ知っておきたい靴の選び方
高齢になると足が上げづらくなり、つまづきや転倒が起こりやすくなります。
それで骨折をしてしまい、そのまま寝たきりになるケースも少なくありません。
転倒や骨折を防ぐためにも、高齢者は靴の選び方がとても大切になってきます。
今回は靴の選び方についてまとめました。
目次
高齢者の靴選びが大切な理由
年齢を重ねると誰でも筋力や体力、さらに視力も低下してきます。
身体機能が低下するのは老化現象で、どんな人でもこれを逃れることはできません。
身体の中でも特に酷使される足は、加齢によって弱りやすい部分で「老化は足からくる」と言われているほどです。
全身の筋肉の約7割が下半身にあるので、加齢による筋力低下の影響も足腰に現れやすく、若い頃と比べると歩くときに足が上げづらくなってきます。
また、足の裏も加齢により変化してきます。
通常、足の裏はアーチ状になっていますが、加齢で骨格が変化し、アーチ状が崩れて偏平足になる人がほとんどです。
また加齢により腰が曲がり前傾姿勢になると、自分では足を上げて歩いているつもりでも、すり足のような歩き方になっていることも。
膝や股関節の痛みや腰痛がある人は、その痛みを軽くしようと無意識のうちに不自然な歩き方になってしまうケースもあります。
このような理由から、すり足や歩幅の狭い歩き方は高齢者に多い歩き方です。
不自然な歩き方などで、何もないところでつまずいてしまうなど、転ぶ危険が高くなってしまいます。
日頃から健康のために散歩や運動を心がけている人でも、65歳以上になると歩いているときの転倒が多くなります。
筋力や体力の低下によって転倒が増えるのですが、履いている靴も大きく影響しています。
スリッパやサンダルなどの脱げやすい履物だと転倒しやすくなるのはもちろん、スニーカーでも安心はできません。
足に合わないもの、靴底がすり減っているもの、滑りやすい素材のものなど、転倒を招きやすくする靴もあります。
年齢を重ねると足の形やサイズに変化が起こるので、長く同じ靴を履き続けることも避けた方が良いでしょう。
先ほども紹介したように、足は加齢によって偏平足になったり、サイズや甲の高さが変わったりします。
内臓機能の低下や薬の影響などで足のむくみを引き起こしている人もいるでしょう。
このように、足のサイズ変化があるのにも関わらず同じ靴を履き続けていると、転倒しやすくなると同時に、身体の衝撃吸収力も弱くなり、身体のさまざまな部分に影響があります。
高齢になってからの転倒は、骨折や寝たきりのリスクを上げる怖いものなので、今の自分の足に合う靴を選ぶことが大切なのです。
高齢者の靴の選び方
高齢者が靴を選ぶときに押さえておきたいいくつかのポイントがあるのでご紹介します。
つま先は少し反りあがった靴
靴のつま先が少し反りあがった靴は、蹴り出しもスムーズで歩きやすく、つまずきにくくなります。
靴底がまっすぐな靴は、すり足で歩くとつま先部分が地面に引っかかりやすく、つまずきや転倒の原因になるので選ばないようにしましょう。
かかと部分にある程度高さがあり、足首やかかとをしっかり支える硬さのある靴
かかとに高さや硬さがある靴は、脱ぎにくいので敬遠する方も多いのですが、脱ぎやすい靴は脱げやすいということです。
脱げやすい靴は、正しい歩き方ができず疲れやすくなります。
しっかりと足を支えてくれて、靴の中でかかとが浮かない靴であれば、足が痛くなることもありません。
靴底がゴム素材で滑り止め加工がしてある靴
つるつるとした床の上や雨の日は滑りやすいので、靴底がゴム素材や滑り止め加工があるものだと安心です。
靴底がゴム素材のものは、靴底が曲がりやすいのもメリットです。
つま先から3分の1くらいまで靴底が曲がる靴ならしっかりと地面を踏みしめることができるので、滑りにくくなりスムーズに歩くことができます。
靴底の溝が深い靴
溝が浅い靴底は滑りやすくなります。
長く履いている靴は、靴底がすり減って溝が浅くなっている可能性が高いので注意しましょう。
靴底がすり減っていたら買い替え時なので、できるだけ溝の深い靴を選びましょう。
マジックテープの靴
甲の高さは一人ひとり違うので、マジックテープで高さが調整できるものが良いでしょう。
靴紐はしっかり足が固定されますが、マジックテープの方が履くのが楽なのでおすすめです。
軽い靴
靴の重みがあればそれだけ足にも負担がかかり、すり足になりやすいので軽い靴がおすすめです。
高齢になると筋力や体力の低下で転倒しやすくなります。
でも、靴の選び方一つで転倒抑止につながりますので、靴選びは大切です。
ここで紹介した靴選びのポイントを参考にして、実際に店頭で履いて試してみてから選んでくださいね。