転倒の予防&防止に効果的な体操や運動をチェック
高齢者の方にとって、転倒は大けがや寝たきりの原因にもなる大変危険なものです。
普段の生活から転倒しないように注意しなければいけませんが、転倒の予防や防止のためにはどんなことをすればいいのでしょうか?
転倒の予防や防止に効果的と言われる体操や、運動について見ていきましょう。
目次
転倒予防についての基本的な考え
転倒を予防するためにも、まずはなぜ転倒してしまうのか、その原因を理解しておくことが大切です。
若い頃はめったに転倒することがなかったのに、ある程度の年齢になってからよく転倒するようになってしまったという方も多いと思います。
転倒の原因は、内的要因と外的要因の2つに分けられます。
内的要因と予防法
自分の体が原因になること。つまり、筋肉が少なくなってバランスをとりにくくなることが原因です。
内的要因の転倒に対処するには、体操や運動をして筋力トレーニングをしたり、バランス感覚を養うことが良いとされています。
外的要因と予防法
周囲の環境が原因。例えば、地面がでこぼこしていてつまずいたり、コンセントのケーブルに足をひっかけてしまったりすること。
外的要因の転倒の場合は、滑りにくく脱げにくい靴を履いたり、転倒の原因になりそうなケーブルなどはなるべく整理しておくなどの対応が必要です。
内的要因と、外的要因にそれぞれ対処しておけば、転倒のリスクを減らしましょう。
転倒を防止するためには?
転倒を防ぐためには、歩き方も重要なポイントになります。
ただ、だらだらと悪い姿勢で歩いていてはもったいない。「正しい姿勢」で「きれいに歩く」こと自体がトレーニングになり、筋肉量の増加につながります。
それだけでも転倒の防止につながるので、普段から正しい歩き方を心がけるようにしましょう。
では正しい歩き方はどういう歩き方なのかを見ていきましょう。
まず歩いている時の目線ですが、少し遠くを見るのがコツです。
そして背筋をピンと伸ばし、肘を軽く曲げた状態でしっかり腕を振ります。
足はかかとから地面に着くようにし、足の指を使って地面を踏み切るように意識しましょう。
こうすると自然ときれいな歩き方ができるはずです。
つまずくものがないかなど、足元を見たくなる時も多いと思いますが、ずっと下を見てるのも危険なので、必要な時以外は目線を少し遠くに置きましょう。
歩き方を変えることで、転倒の防止につながります。
転倒予防によい体操について
転倒を予防するには体操も役立ちます。
主にストレッチを兼ねた体操が多いのですが、たとえば椅子に座って行う体操は転倒予防にも役立ち、椅子に座りながらできるので体力や運動に自信のない方でも行いやすいのが特徴です。
<やり方>
まず椅子に座り、腕は自然に下ろし、手はお尻の横あたりの椅子の側面を軽く持ちます。
片足を少し地面からうかせて足首から下をゆっくり大きく、足指で大きな円を描くように回します。
この時足の甲や、足の側面が床に着くくらいしっかり足首を回すように意識しましょう。
片足ずつ順番に、それぞれ10回くらい回します。
足首を回すことで血流改善のサポートをしてくれる他、足首が柔軟になることで転倒の予防にもつながります。
体操と言っても体全体を動かすわけではないですし、座った状態でできるのでそれほどの負担は感じないはずです。
1時間に1回くらいを目安に、無理のない範囲で毎日やるように心がければ、バランス感覚が養われて転倒の危険性を減らせる可能性があります。
激しい運動ではないので、高齢者の方でも毎日続けやすいのもありがたいですね。
転倒予防に役立つおすすめの運動
椅子を使った予防法としては、椅子から立ち上がる運動もおすすめです。
<やり方>
椅子に座った状態から、ゆっくり4秒かけて立ち上がり、4秒かけてゆっくりと椅子に座ります。
椅子から立ち上がって、座るだけなので、日常生活でもよく行う動作ですが、意識して行うことで太ももを鍛えることができます。
もう一つ、立って行う簡単な運動をご紹介します。
<やり方>
まずは背筋を伸ばし、足幅は握りこぶし一個分程度に開き、壁の前に立ちます。
壁に両手を付き(肘を軽く曲げてもOK)、片足の膝を胸につけるようにひき上げます。
膝は実際に胸につかなくてもいいので、できるところまで上げましょう。
片足を上げ、もう片方の足に体重がかかることで、バランス感覚を鍛えたり、筋肉を鍛えたりするのに役立ちます。
こうした運動もやはり無理をせず、自分のできる範囲で行っていきましょう。
少しずつでもやっていくことで、転倒しにくい体作りに役立ちます。
自宅で簡単に行える方法なので、ちょっとした空き時間などにやってみましょう。
まとめ
高齢者の方に多い転倒は、体操や運動を行うことで予防・防止につながります。
大きなけがをしてしまえば、長期間自由に歩けなくなったりする危険もあり、生活に大きな支障が出ます。
少しずつでも体を動かすことが大切です。
普段から予防のための体操や運動をして、毎日健康的に過ごせるように心がけましょう。