寝たきりの原因は?リハビリや介護のために知っておきたいこと
リハビリや介護が必要になる寝たきりですが、何が原因で寝たきりになってしまうのでしょうか?ここでは寝たきりの原因をはじめ、寝たきり度の基準や、リハビリ・介護のために知っておきたいことなどを紹介していきます。
寝たきりについて正しい知識を持っておけば、対応する方法も見えてきます。
目次
寝たきりの原因にはいったい何がある?
寝たきりの原因はいくつかありますが、もっとも多いのが脳卒中です。意外に思われる方もいるかもしれませんが、平成22年度の調査によると、65歳以上の方の寝たきりの原因としては、脳卒中が24.1パーセントともっとも高い数字になっています。
寝たきりの方のうち、4人に1人が脳卒中で寝たきりになっているわけです。この他の原因としては、認知症や老衰、骨折、転倒などが続きます。脳卒中で必ず寝たきりになるわけではありませんが、寝たきりのリスクが高い疾患なのは間違いありません。
寝たきり予防という意味では、脳卒中にならないよう生活習慣などを見直し、もし脳卒中になった場合でも、早期発見できるよう定期検診を受けるなどの対策が求められます。寝たきりというと転倒によるケガなどが原因になるイメージが強いですが、それだけではなく脳卒中も大きな原因となるのです。
また、別の病気で入院した際に起こる関節や筋肉の衰えも、寝たきりを引き起こす原因になるので、日ごろから運動を心がけることも大事になってきます。特に筋肉の衰えに関しては進行を少しでも遅くするよう、日々の動作の中に筋肉を動かす動きをちょっとプラスするのもいいでしょう。
寝たきりになってからでは、なかなか体を動かすことは難しいので、そうなる前に運動習慣を身に付けておきたいですね。
寝たきりの度合い・判定基準について
寝たきりの度合いを判定する基準があります。「寝たきり度」や、「日常生活自立度」などと呼ばれていて、症状の重さによって4つのランクに分かれています。
たとえばランクJの場合、身体に障害はあるものの、日常生活は自立可能で、1人で外出できる方が当てはまります。寝たきりとは言え自立でき、移動もできるため症状としてはもっとも軽くなります。
ランクAは「準寝たきり」とも呼ばれ、食事やトイレなどは自力でできるが、外出時にはサポートを必要とする方が該当します。
ランクBは私達がイメージするいわゆる完全に寝たきりの状態で、食事やトイレ、着替えのいずれかでサポートが必要で、1日の大変をベッドや布団で過ごす方を指します。
さらに症状が重くなるとランクCに該当し、1日の大半をベッドや布団で過ごし、食事や、トイレ、着替えなどに日常生活のすべてにサポートが必要になります。
ランクCがもっとも重い症状で、上記でも説明しましたが基本的には何をするにも介護者のサポートが必要な状態です。
このように、症状によってランクが設けられており、4つのランクに分けられると覚えておきましょう。
寝たきりにはリハビリが重要!
寝たきりになった場合、リハビリを行うことがとても重要です。しかし、患者さんの中にはリハビリを行うことを嫌がる方がいるのも事実です。なぜリハビリをするべきなのか、リハビリをすることでどんな効果が考えられるのか、このような部分をしっかり理解してもらうことも大切です。
無理にリハビリをさせても意味がありません。まずは本人に納得してもらい、それからリハビリに行うように心がけましょう。また、リハビリを行うには十分な栄養も摂取していないといけません。
栄養が足りなければエネルギー不足になり、リハビリも困難になります。まずは食生活を見直しつつ管理し、準備を進めていきましょう。リハビリに適した環境が整うことで、はじめて理想的なリハビリが行えるようになります。
寝たきりの介護についての負担と対策
介護が必要になる寝たきりの状態になってしまったら、とても大変なことは目に見えます。身内が寝たきりになった場合、毎日介護をしなければなりませんが、やはり、家族の負担は増大します。
自宅での介護となると24時間つきっきりで、食事から、排泄、入浴から、着替えまで時間と体力が必要になります。床ずれをおこさないように、姿勢を変えたり、風邪や誤嚥などが起こらないよう、細心の注意をはらわなければならず、心身共に疲れてしまいます。
時には、プロの力も借りながら介護をすることも必要です。プロに訪問介護してもらえば、その間自分は休めますし、用事を済ませることもできます。すべてを自分だけでやろうと思うと、いつか必ず限界が来てしまいます。
介護はたしかに必要で、さまざまな面でサポートする必要がありますが、同時に介護する側も休息の時間が必要です。毎日自分1人で介護しようとせず、他の家族に協力してもらったり、介護士の力を借りたりと、なるべく負担を軽減するよう意識するのがポイントです。
まとめ
寝たきりを予防するには、まずは原因を知り、有効な対策をすることが求められます。
原因になりやすいのは脳卒中なので、脳卒中にならないよう気をつけることは、寝たきりを予防するのにもつながります。
また、寝たきりになってしまったらリハビリは怠らず、介護する方は無理しすぎないことが重要です。介護疲れで共倒れになってしまっては意味がありません。介護保険制度を活用し、介護サービスや訪問リハビリなどを利用し、家族の負担を軽減することが大切です。