膝関節が痛い!病院に行く前にできるセルフケアを紹介
加齢とともに「膝や関節が痛い」という悩みをもつ人は増える傾向があります。それまで何でもなかった立ち上がりや階段を降りる際に違和感や痛みを覚えることがあり、はじめはなぜ痛いのか理由がわからないこともあるようです。膝や関節の痛みや違和感の多くは、膝関節の軟骨がすり減って起こるとされています。「立つ」「歩く」「座る」という日常生活での当たり前の動作は、膝関節が伸びたり曲がったりしてできていることです。
膝関節は大腿骨、脛骨、膝蓋骨の3つから構成されており、靭帯や筋肉に支えられています。骨と骨が直接ぶつかって衝撃が起こらないように、軟骨はクッションのような役割を果たしているのです。女性に骨粗鬆症が多いように、加齢とともに軟骨もすり減ることからクッションがなくなって大腿骨と脛骨が直接ぶつかると膝や関節に痛みを生じます。軟骨がすり減る原因としては、加齢のほか、これも女性に多いとされるO脚、そして肥満もあげられます。
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膝や関節の痛みの原因のほとんどは変形性膝関節症
中高年の膝関節の痛みの9割程度を占めるといわれている変形性膝関節症。長距離を歩いたときに痛みや違和感を覚えることから始まって、正座ができなくなり、立ち座り、階段の昇り降りが辛くなるなどのように症状が進行するとされています。悪化すると、歩行がしづらくなり膝が慢性的に腫れて、膝の曲げ伸ばしさえ苦痛になってしまいます。
変形性膝関節症は、骨と骨との間でクッションの役割を果たしている軟骨がすり減って起こるものであり、目には見えませんが骨同士の接触によって炎症が起きたり、骨の位置がずれたりします。変形性膝関節症は、男性よりも女性に多いことも特徴の1つであり、その理由には筋肉量の差や肥満による関節への負荷、ホルモン減少による骨粗鬆症などがあげられます。変形性膝関節症は、違和感や少しの痛みがある程度の初期の段階であれば十分にセルフケアで改善することも可能です。変形性膝関節症になると進行するにつれて膝と膝の間が空くO脚の状態も進行します。初期段階は少し間が空く程度ですが、進行すると膝全体が外に向いて節くれだったように見えます。サプリメントや病院の活用を図る前に自分でできるケアや予防をすることが大切です。
膝や関節の痛みの軽減方法
立ったり歩いたりしている時には、膝が重い体重を支えながら足を動かすサポートをしています。肥満傾向のある人で膝痛がひどく痛みのある人は、膝関節にかかる負荷が大きくなりすぎるため半月板や軟骨がすり減ったり、傷んだりするからです。したがって、自ら膝関節を早期に起こすことがないようにするには、体重管理を行う必要があります。
肥満傾向度を表すBMI(Body Mass Index:体格指数)
肥満傾向はBMIで判断することができます。BMIは体重を身長の2乗で割った数値から算出され、BMI値が25以上の人は食事療法や運動によって、積極的にダイエットの取り組む必要があるでしょう。絶食でダイエットを試みる人もいますが、体内では必要な栄養分が不足すると骨や筋肉のたんぱく質やカルシウムを消費することで体調を壊す可能性が高くなります。有酸素運動をしながら栄養はしっかりと摂取することが大切です。
寒さが厳しい季節になると膝関節の痛みを訴える人も多くなるといいます。これは、冷えによって膝関節の痛みが激しくなることが原因であり、膝を温めるだけで痛みを緩和することもあります。お湯にゆっくりとつかって体の芯から温めると血行も代謝もよくなります。また、ホットタオルを使って膝の周りを温める方法でも効果が期待できます。自分の体型や症状に合わせて膝関節の痛みの軽減方法を選ぶようにしましょう。
膝や関節の痛みを防ぐトレーニングとは
膝関節の痛みには、筋力の低下も原因となることがあります。なかでも、大臀筋、内転筋、大腿四頭筋などの筋力の低下が膝関節に与える影響は大きく、歩行困難などの症状が早期に出ることもあります。膝関節の痛みを予防するためには、簡単で継続することができるトレーニングを習慣化することが一番です。
仰向けに寝たまま、片方の足を膝まで伸ばしながらまっすぐ上げ、お尻を持ち上げて3秒間キープするだけで大臀筋を鍛えることができます。内転筋は、まっすぐ立ったままの姿勢で脚を開き、膝がしらの辺りに枕や座布団などを挟んで、内ももに「ギュッ」と力を入れて3秒間キープすることでトレーニングが可能です。大腿四頭筋は立ったままの姿勢でゆっくりと膝の曲げ伸ばしをするだけでも効果的です。とても簡単で負荷の少ないトレーニングなので、毎日欠かさずに続けるようにすることで膝関節の痛みを予防することができるでしょう。
まとめ
運動不足でほとんど歩くことがないという人は、筋力が衰えることによっても膝や関節に痛みを生じることがあります。膝や関節の痛みの原因には、軟骨がすり減る「変形性膝関節症」のほか、スポーツ障害や関節内遊離体などもありますが、痛みがひどいときはすぐに病院へ行きましょう。