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自宅で介護をする場合に費用はどれくらいかかる?

介護が必要な方を、自宅で介護したいと感じることもあると思います。
自宅介護は肉体的・精神的にも大変ということはよく聞きますが、もう1つ気になる点が介護にかかる費用ではないでしょうか?
今回は自宅で介護する場合どのくらいのお金がかかるか、補助金は出るのか、自宅介護のメリットやデメリットなどを見ていきたいと思います。

自宅で介護をする場合に費用はどれくらいかかる?

自宅で介護をすると費用はいくら?

自宅で介護をする場合、どのくらいの費用がかかるのかを具体的に見ていきましょう。
自宅で介護を始める場合、一時的にかかる金額の平均は83万3000円というデータがあります(生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査平成27年」より)。
一時的にかかる費用の内容は、介護用のベッドや車いすなどの購入費、自宅のリフォーム費などが該当します
また、毎月かかる金額の平均は4万4000円となっています(生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査平成27年」より)。
毎月かかる費用の内容は、訪問介護・ヘルパーをお願いしたり、デイサービスなどの介護施設を利用したりする際の費用が該当します。
それ以外の費用として、介護に必要な物を購入する費用や、医療費などもかかります。
実際の費用は介護レベルの違いや生活スタイルなどによっても変わるため、平均よりかかる家庭もあれば、もっと低予算で抑えられる家庭もあるでしょう。
家計経済研究所のデータによると、要介護度1の在宅介護にかかる毎月の費用の平均は3万3000円、要介護度5の平均は7万5000円となっています(2018年7月現在)。
このように介護が必要な人の介護度が高いほど、サービスを利用する必要性も高くなり、費用は高くなる傾向です。
自宅で介護する際の費用は、介護保険で介護サービスを利用する際の自己負担分が多くを占めています。
自己負担金は、介護度に関係なく1割~3割(利用者の所得によって異なる)です。
そのため、介護度が高いほど利用するサービスも多くなったり、高額になったりし、自己負担金額も高くなる仕組みです。
また、介護度によって介護保険サービスの利用限度額が定められています。
限度額を超えた分は全額自己負担になるので、限度額を超えると費用もかさんでしまうので、注意が必要です。

 

補助金はある?

自宅介護にはたくさんのお金がかかることがわかりました。 経済的な負担を減らすため、なんらかの補助金があれば便利なのですが、自宅での介護に関する補助金にはどんなものがあるのかも見ていきましょう。

 

「介護休業給付」

介護休業給付は、雇用保険の制度のひとつです。 親族(祖父母・両親・配偶者・配偶者の両親・兄弟姉妹・子・孫)の介護のために仕事を休み、一定の条件を満たした場合に受け取れます。 雇用保険の被保険者になっている人は給付の対象になりますが、そうでない場合は給付を受けられません。 また、勤務形態によって支給要件が異なるので、事業主への確認も必要です。

【給付の条件】
  • 介護休業期間中の給与が休業開始前の80%未満。
  • 1カ月ごとの介護休業日が20日以上ある。
  • 介護休業開始前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算12カ月以上ある。
  • 介護休業開始前2年間に、賃金支払い基礎日数が11日以上ある月が12カ月以上ある。
  • 病気、ケガ、精神的な障害などで、2週間以上の常時介護が必要な状態が継続している。
  • 被保険者(介護する人)が介護休業開始日と終了日を事情主に申請し、実際に取得した休業である。
  • 介護休業の終了後も仕事を継続する。

上記の条件を満たしていると、勤務先を通して申請することで、休業開始前の賃金日額×支給日数×67%のお金を受け取れます。 ただし、支給期間は同じ家族に対して93日まで。 分割で受け取る場合は3回までとされています。 給付額や日数には限りがあり、ずっと給付金を受けることはできません。 あくまでも短期的なものなので、職場復帰する際に介護をどうするのか、休業中に考えて準備しておく必要があります。

 

「介護リフォーム補助金」

介護をするために住宅をリフォームする必要が出てくることもありますが、その際には介護リフォーム補助金が利用できます。
介護リフォームの補助金は、介護保険制度による補助金で「居宅介護(介護予防)住宅改修費」にあたります。

【給付の条件】
  • 介護のために必要なリフォーム&リフォーム工事であること。
    (手すりの取り付け、床の段差解消、滑り防止のための床材取り替え、扉の取り替え、トイレの取り替えなど)
  • 要支援1~2、要介護1~5のいずれかに認定されている介護保険の被保険者であること。

この制度を利用すると、被保険者1人につき上限20万円まで補助金が支給されます。 ただし1割は自己負担になるので、20万円分のリフォームをした場合2万円は実費です。 この20万円は数回に分けて利用することも可能なので、1度のリフォームで5万円のみ利用した場合は、別のリフォーム時に15万円分利用することができます。 基本的には被保険者1人につき20万円の補助ですが、被保険者が転居した場合や、介護区分が3段以上進んだ場合は、再度20万円までの給付を受けることも可能です。

 

「家族介護慰労金」

家族介護慰労金も、介護保険制度から給付されるお金です。 例えば、東京都の世田谷区の場合、介護を受けている方(要介護4か5の認定を受けた方)1人につき年間で10万円が支給されます。 ただし、各自治体で支給の条件や支給額が変わるので、確認する必要があります。 支給条件を満たしているなら積極的に申請し経済的な負担をなるべく抑えることが大切です。

 

自宅で介護をするメリットとデメリット

次に自宅で介護することのメリットとデメリットを両方見ておきましょう。 まずメリットですが、これはやはり介護を受ける方が安心できる環境を作れるという点に尽きます。 身内である家族と一緒に、住み慣れた家で暮らしながら介護を受けられるというのは、ご本人にとってはやはり安心感があり、精神的な負担が軽くなります。 また、老人ホームなどの介護施設に入ってもらうより、費用が安くなるのもメリットでしょう。 上記の補助金なども活用すれば、費用を抑えつつ介護を続けられます。 ではデメリットはどうでしょうか? 在宅介護のデメリットは、介護する側、つまりご家族に大きな負担がかかることです。 介護の知識や技術を持っている方ならまだしも、そうでない家族が毎日介護を続けるのはやはり大変なことです。 毎日の負担をどう軽減するかが大きなポイントになるでしょう。

 

介護に限界を感じたら?

自宅で介護をしていて限界を感じた場合は、専門家に相談しましょう。 高齢者福祉課や、ケアマネジャー、介護に関する窓口に相談し、今後の介護の方針について一緒に考えてもらうことが重要です。 必要であれば介護施設に入ってもらうことも含めて検討するのがいいでしょう。 無理を続けて介護する側が限界を迎えてしまっては意味がありません。 1人で抱え込まず、専門家に相談して今後の介護について考えていきましょう。

 

まとめ

★自宅で介護する際の費用の平均は、初期費用に83万3000円、毎月の費用に4万4000円となっています。

★介護の補助金として「介護休業給付」「介護リフォーム補助金」「家族介護慰労金」があり、条件を満たせば給付を受けられます。

★自宅での介護は費用が抑えられ、介護される人が慣れた環境で生活できるなどのメリットがありますが、介護する人の負担が大きいというデメリットがあります。

★介護に限界を感じたらすぐに相談することが大事。

 

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