膝が曲がらない原因と対策
人間の体のなかで、いちばん負担のかかっている関節はどれかお分かりになりますか。手首、肘、それとも足首でしょうか。正解は膝の関節です。膝は、座ったり、立ったりするときにも歩くときにも使う関節。日常生活を送るうえで切っても切り離せない重要な部位なのです。
今回はこの膝が曲がらなくなってしまう原因と対策について紹介します。
目次
膝が曲がらない原因や痛みの原因
膝の関節は大切な場所であるにも関わらず、太ももの大腿骨、脛の脛骨、お皿と呼ばれる膝蓋骨の3つの骨と、その骨を取り巻く靭帯や筋肉で支えているのが実態です。平地を歩くだけで体重の3~7倍の負荷がかかりますし、体重が1㎏増えるごとに平地歩行で3kg、階段の昇り降りになると7㎏の負荷が増すといわれています。
日々酷使している膝ですので障害になることもうなずけますが、原因は1つではありません。加齢による筋力の低下、体重の増加による肥満によって起こる膝への負担増、O脚、X脚などがあげられます。
変形性膝関節症とは?
加齢とともに発症する人が増える膝の疾患の1つに変形性膝関節症があります。
変形性膝関節症は、膝の軟骨がすり減ることで、膝に痛みが出てくる疾患で40代から発症する人が出始め、50歳代になると右肩上がりで増えるといわれています。またホルモンバランスの変化の関係で、男性より女性のほうが発症率が高く、閉経後に骨粗鬆症がはじまると一気に症状が進むといわれています。
症状としては、痛み、腫れ、膝が曲がらないなどですが、それぞれが段階的に重症化していくのが大きな特徴です。
まず痛みについてですが、痛み自体を自覚するのが初期の症状です。「椅子から立ち上がるとき」や「歩き始めるとき」に痛みを感じるなどです。症状が進むと階段の昇り降りで痛みが走るようになり、痛くて正座ができなくなります。
次に腫れについてです。初期から中期の頃までは、水が溜まると一般的にいう腫れの症状になりますが、さらに悪化すると水自体がたまりにくくなります。
曲げ伸ばしは、膝がだんだん固くなっていくため、正座はもちろんできなくなりますし、膝が伸びきらないので歩く姿勢もおかしくなります。
いずれにしても膝に違和感や痛みを感じるようになったら、早めに専門医の診断を受けることをお薦めします。
症状が悪化すると最悪、手術ということにもなりかねませんが、軽度なら湿布薬や痛み止めの服用、関節への注射などで済む可能性もあります。膝に痛みを感じたら、長引かせないのが一番です。
気軽にできるセルフケア
変形関節症を含め膝痛は、自分で防ぐことも重症化を阻止することも可能です。
その方法は、体重のコントロールと膝を支える筋力の増加です。
先ほどもご紹介しましたが、体重が1㎏増えるだけで階段の昇り降りで7㎏もの余分な負荷が膝にかかりますし、膝関節の軟骨や半月板も傷みやすくなります。個人差もありますが、肥満度を測るBMIの数値が25に近い人、もしくは25以上の人は、減量することをお薦めします。
加齢による筋力低下も膝関節痛の大敵です。ただし、変形性膝関節症を発症する人が増える40~50代の方が、若い頃と同様の筋トレを行うのは身体的にも体力的にも無理があります。負担が少ない方法を選んでください。
体重の減少が期待でき、膝の負担も少なく、筋力アップが期待できる方法としてお奨めなのが、プールでのウォーキングです。水中の浮力が膝への負担を軽くしてくれます。プールが近くにないという方は、お風呂に入ったときに浴槽内で膝の曲げ伸ばしをするのも効果が期待できますよ。
膝が曲がらないときに試したいストレッチ
膝が痛いからといって動かすことを諦めていませんか。痛いからと体を動かさないと筋力低下に拍車がかかり、さらに膝への負担がかかるという悪循環に陥る結果になります。だからといって無理は禁物です。
膝が痛い場合は、家のなかでできる簡単なストレッチで膝周辺の筋肉や組織の柔軟性を取り戻すことから始め、筋力の維持に努めることが大切です。
ここで体重をコントロールしながら膝の筋力アップにつながる簡単にできる体操をご紹介しましょう。
- 椅子に浅めに腰掛けます。
- 片方の足を、膝を伸ばして床から10cmぐらい上げます。このとき太ももの前がわにギューと5秒間ほど力を入れます。
- 反対側の足も同様に行います。
- 左右10回ずつ、朝・昼・晩で3回行いましょう。
この運動は、膝の不安定性を改善するのに役立つといわれており、最低でも3カ月間、続けることが大切です。しかし筋力は貯金ができませんので、生涯自分の足で歩きたいとお考えなら、半永久的に継続することが元気でいることにつながります。
まとめ
膝痛からの脱却を考えるなら、まず体重のコントロールを。肥満の状態であれば減量することです。実際に体重を5kgほど減らしたところ膝痛が軽減されたという話もあります。中高年の場合、若い世代と同じダイエットをしても体重の減少幅が少ない傾向にありますが、減らないわけではありません。ただ、若い世代と同じダイエットを継続していくには無理があるのです。
3カ月で挫折してしまう過激なダイエットやストレッチではなく、生涯のライフワークとして続けられる方法を、ぜひ、見つけてください。それが膝痛を克服して、一生、自分の足で歩けることにつながります。
