グループホームとは?費用や介護保険についても解説!
「自宅で家族の介護をしているけれど、認知症が進んできて、このままでは介護が難しくなるかもしれない」そういう心配はありませんか?
認知症の介護は、時間的な制約がとても多くなります。目を離すことができないケースも多くなって、自宅では介護が難しくなるのは仕方がないかもしれません。
そんなときに活用できるのが「グループホーム」です。
「聞いたことはあるけど、実際にはどんな施設なのか知らない」という方のために、今回はグループホームについて解説しましょう。
目次
グループホームとはどういう施設?
グループホームと聞くと「集団で生活する家」というイメージが浮かびませんか?
もちろん集団なのですが、実はグループホームは「認知症対応型共同生活介護」で、認知症の人のための施設といえます。
介護保険の中の「地域密着型サービス」の一つで、認知症の高齢者が少人数で生活するところなのです。
認知症の場合、大勢の中で生活するよりも、少人数での生活のほうが落ち着いていられる傾向があります。しかも、住み慣れた地域で共同生活をしているので、その中で自分の役割というものを見つけることができ「その人らしい生活を送りやすい」環境であるともいわれているのです。
2000年に介護保険制度が導入されてから施設数が増えていることからも、介護保険のサービスとして成り立っていることがわかります。
認知症の場合、環境の変化についていけないことが多いので、グループホームのような、地域密着型の施設は、本人が落ち着いて暮らすことができるメリットが大きいのです。
グループホームの費用と利用できるサービス
では、このグループホームの費用や利用できるサービスはどんなものがあるのかお話ししましょう。
グループホームでは初期費用がかかるところと、そうでないところがあります。
これは施設の運営基準によって違いがあるので、グループホームの利用を考えている場合は、いろいろな施設を比較するといいでしょう。
グループホームは民間施設ですから、こうした費用にばらつきがあるのは仕方のないことです。
また毎月かかる費用も違いがあります。その建物に暮らすのですから、家賃は発生しますし、介護サービス料や食費、光熱費もかかります。地方と都会とでも違いがありますから、調べてみるといいですね。
グループホームの具体的な費用は、安くても15万前後といったところでしょうか。これはほかの施設を利用しても同じくらいまたはそれ以上かかるケースもありますから、一概に高いとは言えません。
そして、グループホームのサービスですが、生活する部屋のほかに、共同生活をするために必要なキッチンやトイレ、浴室など基本的な設備は整っています。リハビリやレクリエーションもありますね。
“入浴や排せつ、食事等の介護その他日常生活の世話及び機能訓練を行う”というのが、グループホームの定義ですから、それに沿ったサービスを受けることができるのです。
ただし、注意しなければならないのが、医療・看護スタッフの配置は義務付けられていないという点。あくまでも生活する場としての施設ですから、状態が悪くなると退去しなくてはならない場合もあります。
最近では、グループホームとほかの施設が提携しているところもあるので、心配な点があれば、入居の前に問い合わせておくと安心です。
有料老人ホームとの違い
では、このグループホームと有料老人ホームは何が違うの?という点についてもお話ししておきましょう。
認知症の方が利用できる民間施設に「有料老人ホーム」もあります。
有料老人ホームは、「健康型」「住宅型」「介護付き」といったタイプに分かれています。
認知症の人は「介護付き有料老人ホーム」を利用することが可能です。
グループホームは、状態が悪くなると退去しなくてはならないケースがありますが、有料老人ホームは、看取りまで行うところが多いです。
看護師の配置割合も高いので、医療的なケアを受けることが可能です。ただし、その分費用には違いがあります。
特に入居金については、グループホームよりも高くなっているところがほとんどですし、全体に費用がかかるのが実情です。
グループホームに入居できる条件
グループホームに入居できる条件として、年齢と介護度があります。
年齢は65歳以上、介護度は要支援2または要介護1以上の認知症患者であることが条件となります。
そして、グループホームは「地域密着型」の施設であるので、そのグループホームと同一地域内の住居と住民票がなくてはいけません。
住民票があっても、一定期間住んでいたという時間的な条件を提示する施設もあるので、グループホームに入りたいからと、すぐに引っ越しをして住民票を取得しても、入居できないことがあるかもしれません。
これも施設によって違うので、あらかじめ調べておきましょう。
グループホーム利用で介護保険の自己負担はどうなる?
グループホームを利用するときに、介護保険を使うことができます。しかし、全額まかなうことはできないので、具体的にどのくらいの負担額になるのか考えてみましょう。
介護保険では、自己負担額は原則1割(所得に応じて変動あり)となっています。
1か月にかかった費用の1割負担と覚えておいてください。
ですから「1か月にどのくらいの費用がかかっているのか」ということを把握しておけば、毎月の負担額の目安になります。
介護保険では、サービスを単位で計算し、金額を算出します。
例えば、要介護1の人が1か月グループホームでサービスを受け、支払う金額の目安は約23,000円です(施設・サービス内容によって異なります)。
このほかに介護保険以外での自己負担分 (食費など) もありますから、グループホームを検討するときには、1か月の費用がどのくらいになるのか、できるだけ具体的に計算しましょう。
自分ではわからない場合、担当のケアマネージャーなどに相談するといいですね。
まとめ
グループホームは、認知症の方が落ち着いて生活できる場として利用されています。
ただし「グループホームに入ったからあとはすべてお任せ」ということではなく、状態が悪くなったときにはどうするのか、その後のことも考えて施設を探しましょう。
費用も施設によって違いがありますし、提供されているサービスもさまざまです。
介護保険のサービスを受けるときには、専門的知識を持ったケアマネージャーも頼りになりますから、一人で考えず周りの意見も聞いてみるといいでしょう。