高齢者が安全に利用できる階段とは?利用時の注意点などを解説
高齢者の転倒や転落事故が起こりやすい自宅の場所に、階段が挙げられます。
2階建て以上の家には必ず設置されていますよね。
「とにかく階段の上り下りには気を付けるしかない」そう考えている人も多いかもしれませんが、気を付けていてもこうした転落事故は防ぐことが難しいのが現状です。
まず、階段利用時の注意点や、安全な階段とはどのようなものかを知り、何らかの対策を考えることが大切です。
今回は階段からの転落防止を含めたポイントをお話ししましょう。
目次
高齢者の階段における事故の危険性
高齢になると、体の動きが悪くなって何もないところでも躓いてしまうことが多くなります。
これは、足を上げて歩いているつもりでも、実はそれほど足が上がっておらず、つま先が地面に当たりやすくなっているからなのです。
また、体のバランスも悪くなるので、とっさの出来事に反応できず、転んでしまうことも増えるようになってしまうのです。
そんな中、階段というのは、躓いてしまうとかなりの確率で転落してしまいます。
上段になればなるほど、転落時のケガの程度が大きくなりがちですし、骨折だけでなく打ち所が悪いと命にかかわる事態になることも少なくありません。
さらに、かなり下段での転落や転倒も、若い人なら打撲やねん挫ですむところが、骨折してしまう可能性は高いです。
骨折をして動けない時間が多くなると、ますます足の動きは悪くなりますし、入院期間が長くなれば精神的にも刺激が少なくなって、骨折以外の場所での不具合も出てくるかもしれません。
高齢者の居室での事故は多いですが、特に階段の事故は内容が深刻になりやすいので、できるだけ避けたいところです。
生活の場を1階に移すというのも一つの方法ですが、すべての高齢者が可能というわけではないので、まずは階段に工夫を施すのが無難だといえるでしょう。
階段の種類と特徴
階段の種類は大きく分けて4つあります。
これは住宅に設置される階段の種類ですが、知っておくとリフォームなどで役に立つかもしれません。
直線階段
直階段ともいいますが、途中に踊り場の設置がない、上から下まで一直線の階段のことを指します。
設置面積が少ないので場所を問わず、設置しやすいという特徴があります。
ただし、こうした直階段は、踊り場がない分、躓いてしまうとそのまま下まで真っ逆さまということになりやすいです。
また設置面積が狭いことから勾配が急になっていることが多いので、安全性に欠けるというデメリットもあります。
特に高齢者の場合には、転落すると何らかのケガを負ってしまうので、注意が必要です。
折れ階段
かね折れ階段ともいい、途中に踊り場があってそこからL字に曲がっているタイプです。
踊り場でいったん体の向きを変えることから、高齢者にとっては足の運びを整えるスペースができるので、下りやすいといえるでしょう。
ただし、踊り場や折り返しの分だけ面積が広くなるので、設置面積は大きくなります。
屈折階段
折り返し階段ともいわれ、踊り場からU字に折れているタイプです。下までの段数が多くなる分、勾配が緩やかなので安全性は高くなりますが、折れ階段よりも踊り場が広いために、面積も大きくなります。
らせん階段
柱を中心に、らせん状に踏板が連なっているタイプです。
階段全体が筒状になるので、設置面積は小さくなりますが、踏板の数が多いと回っている感覚が強くなるので、高齢者はバランスを崩さないように注意しなければなりません。
また踏板の数を少なくすると、一歩が大きくなりがちなので、これも注意が必要でしょう。
転落防止を含めた安全な階段とは?
階段はまず転落防止を考えるのが先決です。
リフォームをするというのであれば、設置場所や種類を検討するか、生活場所を階段が不要のところに変更するということが可能ですが、費用面などを考えると、すぐに実行するというのは難しいことでしょう。
そこで、現在設置している階段を、転落防止を含めた安全なものにするための工夫がポイントになります。
取り掛かりやすいのが、階段のステップの先端に滑り止め材を付けることです。
最近では、蓄光性のあるテープが先端に貼ってあるタイプも多く、暗い時間帯でも階段の踏板が見えやすくなっているものがあります。
また、手すりを付けることも高齢者の階段の上り下りには非常に有効です。
万が一バランスを崩しても手すりにつかまっていれば、転落を防止することも可能となるでしょう。
手すりは階段の両側にあるのがベストですが、費用面で片側しか付けられない場合には、下りるときの利き手側に設置するのが理想です。
階段昇降機やエレベーターの設置
安全な階段という点では、階段昇降機の設置もおすすめです。
階段昇降機であれば座ったままの状態で階段を降りることができるので、転落防止には最適でしょう。
また、ホームエレベーターも、階段を使わずに上り下りができるので便利です。
ただし、この2つは費用がそれなりにかかります。
中にはレンタル可能な階段昇降機もあるので、費用を少しでも抑えたい場合は検討してみましょう。
まとめ
高齢者にとって、階段というのは転落や大けがのリスクが非常に高い場所といえます。
いかに安全に階段を利用するかという方法を、高齢者本人を交えて家族で考え、適切な環境を整えるのが理想です。
当社ではエレベーターはもちろんのこと、タイプの違う階段昇降機を取り扱っていますし、レンタルも可能ですので、興味のある方はぜひ一度ご相談ください。