心のバリアフリーとは?実現のためのポイントや課題を解説
皆さんは「心のバリアフリー」という言葉を耳にしたことがありますか?
バリアフリーという言葉自体は普及しており、日常会話に登場することがあるでしょう。
しかし、「心のバリアフリー」はあまり聞き慣れないという人も多いと思います。
ここでは、心のバリアフリーとは何か、心のバリアフリー実現のためのポイント、実例や課題、必要なマナーなどについて解説します。
目次
心のバリアフリーとは何か?
バリアフリーには、高齢者や障がい者が生活する上で、バリアになるものを取り除くという意味があります。
具体的には、電車のホームドアや視覚障害者誘導用ブロックなどが挙げられます。
日本では高齢化に伴うバリアフリー化が進められていますが、「心のバリアフリー」というと具体的にどのようなことを指すのでしょうか。
「心のバリアフリー」は、平たくいうと全ての人が平等に参加できる社会や環境について考え、必要な行動を続けることです。
参照:東京都福祉保健局
障害の有無や国籍、年齢等に関わらず、お互いが思いやりを持って助け合うこと、差別や偏見をなくすこと、など意識や行動の上でのバリアフリーをいいます。
心のバリアフリー実現のための3つのポイント
実際の社会生活で心のバリアフリーを実現するためには、以下の3つのポイントが重要となります。
さまざまなバリアの存在を理解する
心のバリアフリーを実現する第一歩として、社会の中に存在するさまざまなバリアを理解することが必要です。
障がい者や高齢者、外国人などの方が社会生活を生きる上で直面するバリアには、次のようなものがあります。
物理的なバリア
公共交通機関や建物における段差や隙間、高い位置にあるボタン、急勾配の道など
制度的なバリア
入試、就職、資格取得において、障害があることを理由に不当な扱いを行うなど
情報面でのバリア
視覚のみに頼るタッチパネル、音声のみのアナウンス、日本語のみの案内板など
意識的なバリア
偏見や差別、無関心、奇異な視線など
積極的にコミュニケーションをとる
私たちの周りには、上記のようなバリアにより、障壁にぶつかっている人がいます。
そんなとき、私たちにはどのような配慮が必要なのか、積極的にコミュニケーションをとることが大切です。
相手に「意向を聞く」ということは、本人を尊重することにもつながります。
コミュニケーションをとる際には、その人に応じた手段を用いるようにします。
例えば、視覚障がい者の方には声で伝える、聴覚障がい者の方には筆談を行うといった具合です。
バリアフリーのために適切な行動をとる
平成25年に障がい者への差別を禁じる「障害者差別解消法」が制定されています。
差別をなくし、合理的配慮の提供(社会的障壁を無理のない範囲で取り除くこと)が義務付けられています。
私たちにできるのは、バリアの存在を理解し、相手の意向を確認した後は、バリアを解消するための適切な行動をとることです。
その際、手伝おうとしても断られることがあるかもしれません。
しかし、「自分でやる」という相手の意思を尊重することも心のバリアフリーにおいては重要なことです。
このように、一人ひとりがバリア解除のために行動を起こすことが、心のバリアフリー実現のポイントといえます。
心のバリアフリーの実例や今後の課題
ここでは、心のバリアフリーの実例や今後の課題について解説していきます。
街の中にあるバリアと解消法
街中には、さまざまなバリアが存在し、社会生活に支障をきたす人は少なくありません。
そのようなバリアを理解し、解消のために動くことが私たちに求められているのです。
心のバリアフリーの実例として、以下のようなことが挙げられます。
・車いすを使用している人と話すとき、付添人ではなく本人と話すことを意識し、視線の高さを合わせる。
・赤と緑、茶色と緑、オレンジと黄緑、水色とピンクなどの色の見分けが難しい色覚異常の人がいることを知り、チラシや看板広告、ホームページなどの色の組み合わせを工夫する。
・乳幼児を乗せてベビーカーを引く人の転倒を防ぐため、階段や段差で「手伝いましょうか?」と声をかけ、ベビーカーを持つ手助けをする。
これらはあくまでも一例です。
公共交通機関や職場、店舗、医療機関など、あらゆる場面で心のバリアフリーが必要な機会が訪れることを頭に置いておきましょう。
今後の課題と必要なマナー
心のバリアフリー実現に向けて、事業者ごとの職場環境の整備や学校での学習、市区町村ごとのワークショップ、国による啓発活動などが実施されています。
しかしながら、心のバリアフリーを広げていくためには、課題が残されているのが現状です。
「そもそも、心のバリアフリーの意味が分からない」「手助けの方法が分からない」といった人が多く、心のバリアフリーに関する情報提供が不十分であることが想定されます。
そのため、地域ごとの心のバリアフリーに関する活動の推進や情報提供が不可欠であると考えられています。
また、心のバリアフリーに取り組む側のマナーも重要な課題です。
手助けしたいという気持ちが先行し、コミュニケーションが疎かになったり、相手を不快にさせてしまったりする可能性があります。
どんな人と接するときにも相手の意思を尊重し、「そっと声をかける」「分かりやすい言葉で伝える」などの気遣いを忘れないでください。
まとめ
心のバリアフリーは、障害に対する偏見をなくし、全ての人が平等に参加できる社会や環境について考え、必要な行動を続けることです。
バリアへの理解を深めたら実践する、というのが大きなポイントになります。
車いすの人が快適に過ごせるような設備を導入するだけでも、心のバリアフリーにつなげられるでしょう。
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