バリアフリーとは?四つのバリアフリーや法律について解説
最近、私たちの日常生活で「バリアフリー」という言葉をよく聞くようになりました。
バリアフリーという言葉は、1974年の国連障害者生活環境専門家会議において、報告書「バリアフリーデザイン」が作成されたことがきっかけで広まっていきました。
今回は、バリアフリーとは何かを詳しく解説します。
四つのバリアやバリアフリーの例、バリアフリーに関する法律についても触れていきます。
目次
バリアフリーとは?
バリアフリー(Barrier free)という言葉を日本語に直訳すると、「障壁がないこと」を意味します。
もともと、バリアフリーは建物や施設の段差等の物理的障壁を取り除く意味での建築用語として用いられていた言葉です。
しかし現在は、「年齢や身体能力、障がいの有無、国籍など、生活する上でバリア(障壁)となるものを除去すること」を指して使用されています。
また、バリアフリーにおけるバリアには、社会の制度や人の意識も含まれています。
一概に定義することはできないため、「一人ひとりが互いを尊重し快適な社会生活を送る環境にしていこう」という考え方として捉えられています。
バリアフリーにおける四つのバリアとは?
バリアフリーにおけるバリアは大きく四つに分けられます。
ここでは、「物理的バリア」「制度的バリア」「文化・情報的バリア」「心のバリア」の意味と実例をご説明します。
物理的バリア
身体に不自由を抱える人にとって、移動や生活の上で支障となる物理的なバリアのことです。
例えば、高い位置にあるエレベーターのボタンや自動販売機のボタンは、車いすの方や子どもには手が届かないため、利用するのに支障があります。
バリアフリーの例
・ボタンやお金の投入口が低い場所にある自動販売機
・出入り口やスペースの広い多機能トイレ
・通路にスロープや手摺のついた駅や施設
制度的バリア
身体的・精神的な障がいがあることを理由に、学校入試や就職、資格試験などで受験や採用、資格付与が制限されるようなバリアのことです。
車いすを利用していることを理由に入学試験が受けられなかった、などは制度的バリアに該当します。
バリアフリーの例
・精神障がいがあるため資格が付与されなかった
・幼児連れや盲導犬同伴での入店を断られた
文化・情報的バリア
特定の人にのみ必要な情報が伝わらず、社会生活における文化や情報の入手に制限を受ける情報面のバリアのことです。
例えば、視覚障がい者の方は、信号機の色が視覚で判断できないため、音による案内がなければ青信号になったかどうか分かりません。
そのため、音響式信号機などでバリアを取り除く必要があります。
バリアフリーの例
・駅構内に設置された触知案内図(凹凸や点字で把握できる図面)
・駅のホームで電車が来ることを知らせる電光掲示板
・視覚障がい者の人が安全に歩行するための誘導用ブロック
・危険箇所を知らせるための警告ブロック
・手話や字幕映像を用いたイベントや講演会
心のバリア
年齢や身体能力、障がいの有無、国籍などを理由にした偏見や差別、無関心、すなわち意識的なバリアのことです。
内閣府が発表した令和2年度の「バリアフリー・ユニバーサルデザインに関する意識調査報告書」では、バリアフリーという言葉と意味を知っていると回答した人の割合は94%と大多数を占めました。
一方、心のバリアフリーに関する世論調査では、「知らなかった」と回答した人は61.9%でした。
この結果により、今後は心のバリアフリーを普及させる取り組みが課題とされています。
出典:内閣府「令和2年度バリアフリー・ユニバーサルデザインに関する意識調査報告書」
出店:内閣府「令和2年度公共交通機関利用時の配慮に関する世論調査」
バリアフリーの例
・高齢者や障がい者を「かわいそう」「気の毒だ」と言わない
・駅前や通路、点字ブロックの上、車いす用駐車スペースに車や自転車を置かない
バリアフリーに関する法律
バリアフリーに関する法律である「バリアフリー新法」が平成18年に制定されました。
従来の「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築に関する法律(ハートビル法)」および「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律(交通バリアフリー法)」を統合し新たにできた法律です。
主に、公共交通施設や建築物などのバリアフリー化の推進、「心のバリアフリー」を広めるための地域における重点的かつ一体的なバリアフリー化の推進を目的としています。
バリアフリー新法には、四つのバリアを取り除くために必要となる、施設や設備の要件について詳しく記載されています。
令和3年4月に法改正となり、新たに「優先席・車いす用駐車施設等の適正利用推進のための広報・啓発活動の努力義務」などが追加されました。
また、平成15年に施行された「身体障害者補助犬法」により、公共施設や交通機関、レストラン、ホテルなどの施設において、盲導犬や介助犬、聴導犬を同伴できるようになっています。
まとめ
今回は、バリアフリーについて、四つのバリアやバリアフリーの例、バリアフリーに関する法律を交えて解説しました。
全ての障壁を解消するには、「心のバリア」について知ることがもっとも大切といえます。
まずは、皆さんの身の回りにあるバリアについて考えてみてください。できることから始める、それがバリアフリーに繋がります。
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