車椅子の階段の安全な降ろし方とは?災害時や緊急時の対応も解説
車椅子を階段で降ろすときは、安全性に配慮し、4人体制で降ろす方法が基本です。
降ろす前や降ろしている間は、利用者の安全を第一に考えましょう。
この記事では、車椅子を階段で降ろす際に確認が必要なポイントや、災害時や緊急時に車椅子の利用者を素早く避難させる方法を解説しています。
いつ、どこで対応が必要になるかわからないため、基本的な方法を知っておきましょう。
目次
車椅子の階段の降ろし方
車椅子は階段でどのように降ろせばよいのでしょうか。
日常の中で利用者に接している方は確認が必要な知識です。
利用者の安全を第一に考える必要があります。
車椅子は、本体が10kg〜40kgもあります。
電動式のタイプの方が重くできているので、運ぶ前に確認しましょう。
その重さに加えて、利用者の体重も支えなくてはなりません。
基本的に4人体制で慎重に運ぶ必要があります。
降ろす際は、介助する人員と利用者とのコミュニケーションが欠かせません。
不安な点や危険を感じた瞬間は声を掛け合い、状況を把握しながら降ろすようにしましょう。
利用者が危険や恐怖を感じた場合、声を上げられる雰囲気づくりも重要です。
介助者と利用者がお互いに声を掛け合いながら降ろすのが理想的です。
車椅子に取り外し可能な部品がないか確認する
車椅子には取り外しできる部品もあります。
特に、アームレストや脚部などに取り外せる部品がある場合が多いです。
車椅子を階段で降ろす際は、取り外せる部品が降ろしている途中で外れないか、確認が必要です。
車椅子の方をサポートする立場になったら、取り外せる部品がある車椅子か最初に確かめましょう。
チェックすることで、降ろしている間に部品が外れて体勢が崩れたり、落下したりなどの事故を防ぐことにつながります。
基本は4人で介助する
車椅子を介助して階段を降ろす場合、基本的に介助者が4人必要です。
介助者は、前後と左右で車椅子を囲むような位置に立ちます。
後ろの2人はハンドグリップとハンドリムをしっかり持ち、前の2人はアームレストとレッグレストのパイプを持ちましょう。
4人でしっかり支えていることを確認しながら階段を降りてください。
階段に対して後ろ向きに降ろす
車椅子は階段に対して後ろ向きに降ろします。
重心が利用者の背中側、階段に対して降りる方向にかかるので、安定します。
車椅子が傾くと転倒の危険性が高まってしまい、とても危険です。
車椅子がまっすぐの状態で降りられるよう、介助者同士の協力が欠かせません。
災害時・緊急時の対応
災害時や緊急時、わたしたちはどのように車椅子の利用者に対応したらよいのでしょうか。
利用者の安全は、介助者に委ねられています。
介助者の、冷静で適切な判断や行動が求められるのです。
冷静に、階段を降ろす必要があるのか検討する
第1に、階段を降りて避難する必要があるのか冷静に検討しましょう。
災害時や緊急時は冷静さを失いがちですが、階段を降りて避難するのが安全な方法とは限りません。
まずは、同じフロアに安全を確保できる場所がないか確認する必要があります。
利用者を担架に乗せて運ぶ
利用者を車椅子から降ろし、担架に乗せて運ぶ方法も有効です。
丈夫で大きさのある毛布1枚と、2mほどの棒が2本あれば即席の担架が作れるので、作り方の手順を確認しましょう。
1. 毛布を広げ、全体の3分の1の位置に一本の棒を置き、毛布を巻く
2. 残った毛布にもう1本の棒を置き、毛布に巻き込こむ
毛布がない場合はトレーナーやズボンなど、棒が通せる衣服を使用してください。
洋服のボタンをかけたままで、衣服にすきまができないよう棒に通すだけなので簡単です。
5枚ほど衣類があれば足りるので、一緒に避難する人に協力をあおぎましょう。
車椅子の利用者だけでなく、怪我をして歩けない方にも使える方法です。
災害時や緊急時のために、ぜひ手順を覚えておきましょう。
2人で車椅子を降ろす
災害時や緊急時は、2人で車椅子を降ろす場面も想定されます。
2人で降ろす場合の手順は次の通りです。
1. 車椅子のブレーキを解除し、後ろの介助者は車椅子の持ち手に重心をかけ、車椅子前方を浮かせる
2. 前方の介助者は車輪のアームをつかむ
3. タイヤを転がし、一段ずつ確実に降ろす
危険があり、介助者を集める余裕がない場面での想定です。
焦らず慎重に降ろしましょう。
まとめ
車椅子を階段で降ろす場合は、安全確保が重要です。
利用者は介助者に身を預けている状態です。
万が一にも転倒したり、落下したりといった事故の起こらないよう配慮しましょう。
エレベーターなどで下に降りる方法は、災害時や緊急時は停まってしまったり、時間がかかってしまったりするため、利用できない場合があります。
もしもの時のために、私たち一人ひとりが車椅子の利用者のことを考え、対応できるようにしておきましょう。
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