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階段昇降機を設置には消防法にも配慮が必要?適用される法律を解説

階段昇降機とは、座ったり車いすに乗ったりしたまま階段を上れる介護機器です。後付けも可能で、バリアフリーリフォームの際に取り入れるお宅も増えました。

 

しかし、階段昇降機はどんな階段にも設置できるわけではなく、法律による制限があります。

この記事では、消防法をはじめとして階段昇降機設置の際に守るべき法律について解説します。

階段昇降機を設置には消防法にも配慮が必要?適用される法律を解説

階段昇降機の詳細を解説

階段昇降機はメジャーな機器ではありません。
どのような機器かイメージできない方もいるでしょう。

 

ここでは、階段昇降機とはどのような器具か詳細を解説します。
設置場所や守るべき法律についても解説するので、参考にしてください。

特徴1.階段を上り下りするリフトの1種

階段昇降機とはその名のとおり、階段を楽に昇降できるようになるリフト(エレベーター)の1種です。
階段の壁面等に椅子を設置し、電動で上り下りします。

 

人を乗せた椅子がそのまま階段を上がっていくのをイメージすると、構造がわかりやすいでしょう。
階段昇降機を設置すれば足が不自由な方はもちろん、寝たきりに近い状態の方でも階段を昇降できます。

 

立ち振る舞いが不自由になると行動範囲が狭まるだけでなく、やる気も失われてしまいます。
階段昇降機があれば行動範囲が広がるのはもちろん、住み慣れた家により長く暮せるでしょう。

特徴2.後付けが可能でさまざまな階段に設置できる

同じリフトでもエレベーターは後付け設置が大変難しく、リフォームで取り付ける場合は大がかりな工事が必要です。
一方、階段昇降機は後付けが簡単で工事費も安価です。

 

螺旋階段などを含め、既存の階段のほとんどに階段昇降機は設置できます。
家の中にある階段はもちろん外階段にも設置可能です。。
踊り場も昇降機に乗ったまま移動できるので、3階以上ある建物の昇降も問題ありません。

特徴3.設置時には建築基準法を守る必要がある

階段昇降機は、どんな建物にも無条件に設置できるわけではありません。
階段昇降機はエレベーターと同じカテゴリーなので、建築基準法の制約を受けます。

 

一例を挙げると以下のような制約があります。

 

● 定格速度は時速9m以下
● 操作中にのみ昇降する仕組みのボタンの設置
● シートベルトの設置
● 行き過ぎ防止対策の設置
● 高さ50cmを超える昇降機を設置する場合は、階段の幅は75cm以上必要

 

なお、現在は緩和措置があり、高さ50cm以下の昇降機でレール幅が10cm以下であれば、75cm以下の階段幅でも設置可能です。

 

また、木造以外の住居や3階建て以上の建物の場合は、建築申請が必要になります。
設置業者が建築申請には詳しいので、まずは相談しましょう。

階段昇降機の有用性を消防法の視点から解説

消防法では、高さ31m以上の建物には非常用昇降機の設置義務があります。
高さ31m以上とは、10階建てのビルに相当する高さです。
現在、10階建てのビルのほとんどには、非常用昇降機が設置されています。

 

しかし、高さ31m以下の建物は現在の消防法では非常用昇降機の設置義務がないため、非常用階段があるだけといった建物もあります。
非常用昇降機がない建物で火災が起きた場合、階段の上り下りが難しい方は避難が大変です。

 

そんな建物にも、階段昇降機を設置すれば逃げ遅れる可能性が減り安全性がより高まります。
特に、3階・4階建ての建物は健常な方でも階段で移動するのは大変なケースもあるので、階段昇降機を設置する価値は十分にあるでしょう。

階段昇降機の設置方法2つ

階段昇降機の設置方法は、購入とレンタルがあります。
ここでは、それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説します。
階段昇降機導入の際の参考にしてください。

その1 購入する

階段昇降機を購入すると、建築基準法に定められている範囲で自由にカスタマイズできます。
また、自治体の補助金や助成金が使えるので、お得に購入できる可能性もあるでしょう。

 

その一方で、階段昇降機の購入価格は高価です。
直線移動するだけのタイプは50万円前後、曲線も移動できるタイプは100万円以上する製品もあります。
維持費も年数万円ほどかかり、部品が劣化したら交換も必要な点もネックです。

その2 レンタルする

階段昇降機をレンタルすると、月々定額料金だけで階段昇降機が利用できます。
まとまったお金がなくても導入が可能で、必要な時期にのみ設置が可能です。
足が不自由になった高齢者が数か月後に施設に入所するが、それまで階段昇降機を設置したいといった場合も活用しやすいでしょう。

 

その一方で、レンタルできる製品が限られていたりレンタル業者を探す手間がかかったりします。
レンタルを希望する場合は、家から相談などに行ける範囲に階段昇降機のレンタルができる業者を探してください。

階段昇降機は消防法を守り設置しよう

階段昇降機を購入する場合は、導入費用の負担を減らせるでしょう。
申請方法は、自治体のホームページに記載している自治体が多いです。

 

申請するにはリフォームを行う家に住んでいる高齢者が要介護の認定を受けていなければなりません。
自分で申請する前に、まずはケアマネージャーに相談しましょう。

まとめ

今回は、消防法や建築基準法から考える階段昇降機設置のメリットと注意点などを紹介しました。

2階以上の建物に住む高齢者にとって、いざというときにスムーズに避難できるかどうかは大きな問題です。

 

屋内はもちろん、屋外にある非常用階段にも階段昇降機の設置を検討してください。

設置方法には購入だけでなくレンタルもあるため、必要に応じ利用を検討しましょう。

 

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