階段昇降機が設置できる条件とは?メリットや費用を抑えるコツも解説
階段昇降機を自宅に設置しようと検討しているものの、どうしたらよいか分からず悩んでいませんか。
階段昇降機の設置は、大規模な改修は不要ですがいくつかの条件を満たす必要があります。
この記事では、設置前に確認すべきポイントや設置するメリットについて解説します。
設置費用を抑える方法についても紹介するため、ぜひ参考にしてください。
目次
階段昇降機を設置するために必要なポイント3つ
階段昇降機は、大がかりなリフォームなしで設置が可能です。
しかし、どのような家でも取り付けられるわけではなく、お住まいの状況によっては設置が難しいケースもあります。
ここでは、昇降機を設置するうえで確かめておくべきポイントを紹介します。
1.階段に必要な横幅はある?
階段昇降機は折りたたんだ状態でも結構な厚みがあるため、設置にあたっては階段に一定の幅が必要です。
直線階段の場合は最低でも70cm、曲がり階段は75cmほど余裕があるのが望ましいでしょう。
一般的に、階段は十分な幅をもたせているためそれほど心配する必要はありません。
しかし古い住宅の場合、階段幅が通常より狭い事例もあるため、確かめておくと安心です。
一部を改修すれば取り付けできる可能性もあるため、業者に相談するとよいでしょう。
2.階段のそばにコンセントはある?
階段昇降機にはバッテリーが搭載されており、定位置で停まったときに充電器から自動的にチャージされる仕組みとなっています。
そのため、階段には充電器を取り付ける必要があり、近くにコンセントが必要です。
一般的な100Vのコンセントが、階段のそばにあるか確認しましょう。
階段の近くにコンセントがなかったり、既にあるコンセントが別の用途で埋まっていたりする場合は、新たに設置する必要があります。
3.屋外なら敷地の境界線は超えない?
玄関につながる屋外階段に昇降機を設置したいご家庭もあるでしょう。
屋外の設置は、住居の立地や方向などによって椅子やレールが敷地をはみ出す場合があるため、確認が必要です。
特に、階段の一番下の段と公道の間にあまりスペースがない場合、境界を超えてしまう可能性が高くなります。
敷地を超える場合、そのままでは設置ができません。
どのように設置すれば敷地内に収まるか、十分に検討する必要があります。
階段昇降機を設置するメリットとは
階段昇降機の設置による、主なメリットについて解説します。
考えているメリット以外にも、得られる利点があるのではないでしょうか。
参考にしてください。
足腰が弱くても階段昇降が苦にならない
階段昇降機をつける最大のメリットは、以下の方でも階段の昇り降りが苦にならなくなる点です。
● ケガや病気で足が不自由になった
● 高齢になり体力的・身体的な理由で階段の昇り降りが辛く感じる
● 障がいや車椅子の使用により、階段昇降が難しい
昇降機を取り付けると、利用する方はボタンやレバーを操作するだけで階段移動できるようになります。
2階への移動を諦めたり、誰かにお願いしたりする必要もなく、これまで通りの生活が可能です。
介助者の負担が軽減する
高齢者や障がいのある方、ケガや病気の方の生活をサポートしている家族の負担が、大きく軽減する点も階段昇降機導入のメリットです。
階段昇降が難しい方を、2階に連れて行くのは簡単ではありません。
場合によっては、介助者もろとも階段の途中から転落する事故も起こり得るでしょう。
昇降機を取り付ければ、家族の誰もが安全に1階と2階を往来できるようになります。
介助する方は、肉体面だけでなく精神面でも負担が大きく軽減するでしょう。
大規模工事なしで取り付けができる
階段昇降機の取り付けにあたっては、住居の大規模なリフォームや増改築は必要ありません。
階段の床面に金具をつけてレールを固定し、椅子をはめ込んで動作を調整するだけです。
そのため、直線状の階段だけでなく、らせん階段などであっても問題なく設置できます。
今ある階段にそのまま設置でき、基本的に誰でも簡単に操作できる点も、大きなメリットといえるでしょう。
階段昇降機の設置費用をどう抑える?2つの方法
階段昇降機のメリットは理解しているものの、費用がかかるため取り付けを悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
ここでは、設置費用を抑える方法を2つ紹介します。
1.購入ではなくレンタルする
階段昇降機は、購入ではなくレンタルもできます。
レンタルの場合、かかるのは工事費・撤去費を含む初期費用と月々のレンタル料金のみのため、総合的に考えると購入より安くなる場合が多いです。
不要になったら業者に撤去してもらえるため、必要な期間だけ設置できます。
購入した場合、不要になったら費用を払って撤去してもらわなければなりません。
また、無償で定期メンテナンスしてもらえるケースが多く、安心して使えます。
2.自治体の助成金制度を申請する
自治体によっては、階段昇降機の設置にあたって独自の助成金・補助金制度を設けているところもあります。
例えば、以下のような制度です。
自治体 |
名称 |
助成額 |
東京都港区(※1) |
高齢者昇降機設置費助成 |
1,332,000円を限度額として工事費用を助成 ※所得に応じ1~6割の自己負担あり |
新潟県村上市(※2) |
高齢者・障がい者向け住宅整備補助事業 |
65歳以上で要介護認定を受けている方:30万円 身体障がい者手帳1級か2級の交付者:50万円 |
京都府宇治市(※3) |
住宅改修費の助成 |
工事費の50%か30万円のいずか低いほう 課税世帯は5%自己負担 |
福岡県福岡市(※4) |
住宅改造助成 |
工事費用と30万円のいずれか低いほうの額に規定の助成率を乗じた額 ※助成率は所得に応じ定められている |
助成制度があるかどうかは自治体によって異なります。
また、助成の対象者は細かく条件が決まっています。
助成制度が利用できるかどうかは、必ずお住まいの自治体に相談して確認してください。
(※1)参照:港区ホームページ/高齢者昇降機設置費助成
(※2)参照:高齢者のための福祉 – 村上市公式ウェブサイト
(※3)参照:宇治市|住宅関連助成制度一覧
(※4)参照:福岡市 住宅改造助成
まとめ
階段昇降機を設置する場合、「階段に一定の幅がある」「電源がとれる」などの条件をクリアする必要があります。
しかし、階段昇降機は大規模なリフォームなしに設置でき、ほとんどの住宅で対応可能です。
高齢者の方や体が不自由な方が、1階と2階を軽い負担で往来できるようになり、生き生きとした生活につながるでしょう。
レンタルもでき、お住まいの地域によっては助成金制度が利用できるケースもあります。
検討している方は、ご家庭にぜひ設置してはいかがでしょうか。